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マイケル・リン《ミングリング ーふれあいー》

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展覧会の企画、キュレーション、 コーディネーション業務

マイケル・リンは、元来工業生産的なモチーフであった伝統的な台湾のテキスタイル模様を応用し、公共空間に引きのばして描くことで、その模様のもつ意味を転移させる新しい絵画表現を確立しました。近年では、身近な模様やパターンをより大きなスケールで描くスタイルを発展させ、リサーチを通して、制作する地域の伝統的・文化的モチーフ、空間の特徴や場所との関係性を読み込んだ作品制作を行っています。マイケル・リンの作品は、物としての芸術をこえて、芸術を通した新たな経験をもたらします。 本展は、マイケル・リンが、十和田に滞在中に興味を抱いた中心商店街にある“ふれあいホール(Mingling Space)”をコンセプトに掲げ構成しました。ふれあいホールは、「何気なく人々が集まってくる場所。地域の憩いの場。人々の交流の場」を意味しています。 カフェの作品は、たくさんの小さな布片で1枚の大きな布を作るパッチワークのテクニックから着想を得て制作されました。その古布を再利用し新たな布を生み出すという手法は、十和田に根付く伝統工芸〈南部裂織〉に通ずるものがあると感じたからです。そこで、今回の個展ではパッチワークの手法をもちいて、「ミングリング(Mingling)―ふれあい―」の創造を試みました。 古来より欧米では、パッチワークづくりは女性たちのコミュニケーションの場でもあり、とくにアメリカでは、世界大恐慌時代に、多くの作品が制作されるようになりました。それは当時の貧しさや倹約のためでもありましたが、それだけではなく、連帯意識やコミュニティー・アイデンティティの形成、共通価値の創造を促すものとして機能しました。さらには、公生活における、または家族との私生活における記念の証、そして共同体の象徴として重要な役割を果たしていたといわれています。 本展は、地域の方々との協働作業でつくられたパッチワーク作品、そしてペインティングやドローイングを中心におよそ25点の作品で展開します。また美術館企画展示室およびまちなか展覧会場であるふれあいホールは壁面全体が作品で覆われました。 さまざまな形の「ミングリング―ふれあい―」によって生まれた多種多様な作品たちのあたたかくおだやかな融合を、展覧会を通して表現しました。 【参加アーティスト】 マイケル・リン 【基本情報】 会期:2011.5.28 - 8.28 会場:十和田市現代美術館 OFFICIAL WEBSITE
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