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【N&A Art SITE】NANJO SELECTION vol. 2 岡田菜美個展『いつか見た青い影 / A Whiter Shade of Pale』(7/3-7/29)

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展覧会の企画、キュレーション、 コーディネーション業務

N&A Art SITEにて、2023年7月3日(月)から7月29日(土)まで、NANJO SELECTION 第2弾として岡田菜美の個展『いつか見た青い影 / A Whiter Shade of Pale』を開催いたしました。 ■開催概要 展覧会名: NANJO SELECTION vol. 2 岡田菜美個展 『いつか見た青い影 / A Whiter Shade of Pale』 会期: 2023年7月3日(月)― 7月29日(土) 12:00-17:00 休:日・月(7/3を除く)・祝 会場: N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分) 主催: エヌ・アンド・エー株式会社 協力: gallery UG ■岡田菜美×南條史生 対談動画 N&A Youtubeにて公開中 https://www.youtube.com/watch?v=7T28jWmTsuA 岡田は、アクリル絵具を何層にも重ね、削りだす行為を繰り返すという方法により、抽象と具象が入り混じったような独特の絵画作品を制作しています。作品には、岡田⾃⾝が訪れた場所をモチーフとした風景が描かれますが、それらはどこにも存在しない風景のように感じられる一方で、郷愁や既視感をも感じさせます。本展出展の「one view」シリーズは、幾重にも重なる「まだ意味を持たない風景」と「意味を帯びた風景」の関係性を表現しています。 ■作家ステートメント ある気配を探している。 すべての人がきっと感じたことがあるもの。 なにかを見たとき、なにかをしているとき、 それを中断するきっかけになるような、ふと外からやってくるもの。 ピンと張り詰めた冬の空気。うだるほどの暑さがもたらす芳醇な夏の匂い。 時間が移ろいゆく中で音も立てずに現れる影のような、万物の残り香。 色を重ねたり削ったりと一直線には進まない行為を重ねることで その痕跡に近づけるような気がしている。 移ろう時間や気配そのものに少しでも近づくため、 今日も私は霧のような何かを追い求める仕事を続けている。 岡田 菜美 ■vol. 2 岡田菜美について  ― 南條史生コメント 昨年『art stage OSAKA』を見学していたときに、岡田菜美の作品に目が行きました。静けさにもかかわらず、ノスタルジックな密度の高い情緒とでもいうものが印象的でした。それは、かなりの大きさの横長の絵画で、公園のような風景の向こうに海が広がっていました。木々の影は青く染まり、長く伸びています。月明かりに照らされた地表の明るさと、青い影のコントラストが際立っていました。私は、この景色は現実なのだろうか、それとも記憶や夢の中の世界なのだろうかと思いました。 岡田菜美の作風は具象の風景です。世の中に具象の風景はいくらでもあります。しかし、彼女の作品はあきらかに他の人と違います。何が彼女の作品を特別なものに見せているのか、皆さんと考えてみたいと思います。それが、今回の展覧会を開く理由のひとつです。 皆さんにこの独⾃の青い世界を鑑賞し、楽しんでいただければ、幸甚です。   ■岡田菜美 1991年群馬県生まれ。2016 年多摩美術大学大学院絵画専攻 油画研究領域修了。東京を拠点に活動。 (近年の展覧会歴) 2022 個展『reflection』gallery UG Tennoz・東京 個展『one view』大丸京都店 『アートフェア東京』 東京国際フォーラム 『art stage OSAKA』堂島リバーフォーラム・大阪 2021 グループ展『laissez-faire』銀座蔦屋書店・東京 『VOLTA BASEL2021』Elsässerstrasse 215・スイス 2020 グループ展『laissez-faire』gallery UG Tennoz・東京 グループ展『雨のち晴レの日』ART colors Vol.33 パークホテル東京 グループ展『春風-spring has come-』ART colors Vol.32 パークホテル東京 『VOLTA NEW YORK』Metropolitan West・ニューヨーク・アメリカ 2019  グループ展『コンシン展Vol.1』gallery UG Bakurocho・東京 2018  個展『上書きされる前に』オークウッドレジデンス青山・東京 ■NANJO SELECTIONについて 長年、現代美術の普及に尽力し、その間多くの作家、作品に出会ってきましたが、それでもまだ新しい発見を求めて、内外多数の展覧会を見て歩いています。そして多くの作品に出会い、作家との対話を重ねた中から、表現上の独自の発展を模索し、成果を上げ始めている比較的若手の作家に焦点を当て、その活動を紹介していきたいと思います。 決して万全とは言えない日本のアート環境の中で、新しく登場した作家たちの意義ある業績を美術史の文脈の中に位置づけながら国際的に紹介していくことは、日本の美術業界の喫緊の課題だと思われます。 1年に4人程度の作家を逐次ご案内申し上げます。ぜひご覧ください。
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