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【N&A Art SITE】NANJO SELECTION vol. 4 横山奈美 個展『広い空に / Big Sky Mind』(2024/5/31-6/29)

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展覧会の企画、キュレーション、 コーディネーション業務

N&A Art SITEにて、2024年5月31日(金)から6月29日(土)まで、NANJO SELECTION 第4弾として横山奈美の個展『広い空に / Big Sky Mind』を開催いたしました。 ■開催概要 展覧会名: NANJO SELECTION vol. 4 横山奈美 個展 『広い空に / Big Sky Mind』 会期: 2024年5月31日(金)― 6月29日(土) 12:00-17:00 休:日・月・祝 会場: N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分) 主催: エヌ・アンド・エー株式会社、アートジーン合同会社 協力:ケンジタキギャラリー ■横山奈美×南條史生 対談動画 N&A Youtubeにて公開中 https://x.gd/1pmGb 横山は、消費され捨てられる物に光を当てそれを精緻に描く「最初の物体」シリーズや、自身でデザインしたネオン管をモチーフに、ガラス管や背後に存在する配電線、フレームまで描く「ネオン」シリーズなどの絵画作品で注目を集める作家です。近年では、ケンジタキギャラリー(2024、2023など)や岐阜県美術館(2021)、金沢21世紀美術館(2019)などで個展を開催、グループ展では「VOCA展2023」(上野の森美術館)や「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)に参加するなど、精力的な活動を行っています。 本展では、横山の友人や知人などさまざまな人が筆記した文字をネオン管にし、それを克明に描く「Shape of Your Words」シリーズから「Sky」という言葉をモチーフとする新作絵画約10点を展示いたしました。 ■作家ステートメント 2年ほど前から、自分の周りにいる人や旅先で出会った人々に「LOVE」や「HISTORY」といった言葉を紙に書いてもらい、それをネオン管で忠実に再現し、それを見て描くことで絵画を制作してきました。扱う言葉は、あえて視覚的に捉えにくいものを選んできました。言葉の形をした光を放つネオン管と、その光が反射する配電線やフレームを描くことで、見えないものを見えるように、個々の言葉を確かな存在として目の前に表したかったからです。 今回の展示では、「Sky」という、誰もが一度は見上げたことがあるであろう言葉に焦点を当て、私の周りにいる10名の様々な背景を持つ人たちに書いてもらいました。この制作のきっかけは、目で見るものが自分にとっては当たり前だとしても、他者にとっては全く異なる景色に見えていると感じたことです。私たちの考え方や価値観は、生きてきた場所や社会、環境によって形成されます。それにより、同じ空を見上げていても、同じ物事について考えていたとしても、私たちそれぞれの目に映る景色や思考は異なっているのではないか。そのような私たちが持つそれぞれの違いをどのようにしたら共有できるのか。この作品では、誰のものでもなく遠くまで広がる空ではなく、誰かの中に存在する個人的な空を描いています。 横山奈美 ■vol. 4 横山奈美について  ― 南條史生コメント 横山奈美の作品に強い印象を持ったのは、作者が日産アートアワードのファイナリストに選出されて、横浜のBankART Studio NYKで展示されているのを見たときである(2017年)。古い倉庫の薄暗い空間に、絵画のネオンが光っているイメージは、不思議な印象を与えていた。このトロンプルイユのような絵画はその後多くの会場で展示されて人々を魅了し、支持者を増やしてきた。 今回紹介するのは新作のシリーズである。文字は「Sky」と書かれていて、それが約10点連続する。全て異なった人によって書かれた文字が元になっている。「空」という言葉が持つ、明るいが空虚で、しかし開かれた可能性に満ちたイメージが魅力である。コンセプチュアルでミニマル、なのにやさしく明るい、横山奈美の新しい境地を楽しんでいただきたい。   ■横山奈美 1986年岐阜県生まれ。2012年愛知県立芸術大学大学院 美術研究科 油画版画領域修了。愛知県を拠点に活動。 https://www.namiyokoyama.com   ■NANJO SELECTIONについて 長年、現代美術の普及に尽力し、その間多くの作家、作品に出会ってきましたが、それでもまだ新しい発見を求めて、内外多数の展覧会を見て歩いています。そして多くの作品に出会い、作家との対話を重ねた中から、表現上の独自の発展を模索し、成果を上げ始めている比較的若手の作家に焦点を当て、その活動を紹介していきたいと思います。 決して万全とは言えない日本のアート環境の中で、新しく登場した作家たちの意義ある業績を美術史の文脈の中に位置づけながら国際的に紹介していくことは、日本の美術業界の喫緊の課題だと思われます。 1年に4人程度の作家を逐次ご案内申し上げます。ぜひご覧ください。
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