《No Concept vol.1 -That’s what life is all about》
Categories :
展覧会の企画、キュレーション、 コーディネーション業務
7月1日(金)から7月16日(土)まで、N&Aアートサイトにおいて、国内の福祉施設等で活躍する9名のアーティストの作品を展示する展覧会「No Concept vol.1– That’s what life is all about」を開催いたしました。
2021年に開催した「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」のうち「多様性への道」展(会場:北九州市立美術館)にて、南條史生氏と共同キュレーター をつとめた、ACM Gallery ディレクター 杉本志乃が、全国をめぐり発掘した作品を展示しました。
SDGsなど、世界的にも多様性の必要性が言われる昨今、アートの世界でも、様々な背景の作家が注目されています。生きることと表現することが直結した彼らの作品には、生き物としての普遍的、根源的な力が宿ります。それぞれの作品が放つ原初のパワー、アートの新しい息吹を感じる展示です。
【参加アーティスト】
飯塚月 (Runa Iizuka)、井上優 (Masaru Inoue)、岩本義夫 (Yoshio Iwamoto)、岡元俊雄 (Toshio Okamoto)、加地英貴 (Hidetaka Kaji)、紺谷彰男 (Akio Kontani)、平野喜靖 (Yoshiyasu Hirano)、松本寛庸 (Hironobu Matsumoto)、山根由香 (Yuka Yamane)
【展覧会概要】
会期:2022年7月1日(金)〜7月16日(土)
会場: N&Aアートサイト
開場時間:13:00-17:30 (日曜・祝日休廊)入場無料
レセプション:2022年7月1日(金)17:00-20:00 どなたでもご参加ください。
主催:一般社団法人Arts and Creative Mind、エヌ・アンド・エー株式会社
キュレーション:杉本志乃(一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事・ACM Galleryディレクター)
協力:ENLIGHTMENT、ヒロ杉山、アトリエライプハウス、Abigail、嬉々!!CREATIVE、松本寛庸、やまなみ工房ほか
*会期中、トークを開催予定です。詳細はウェブサイトをご覧ください。
【キュレーターズ ステートメント】
彼らの生み出す芸術は、その内側から溢れる「何か」が、カタチとして現れたものだ。そこには、人が本来持っている生き物としての生命力が溢れ、表現することで他者と繋がり自然と共存してきた、長い人類の記憶を、私たちに呼び覚ます。
歴史を見ると、神話が、宗教が、市民社会が、芸術を生み育て、美の彩の中で人間は進んできた。今、環境破壊、社会の分断、戦争など、様々な問題に直面し、アートのありようも変化を迫られている。そんな中私は、大きく人間性の回復を図らなければならないと、漠然と感じている。その帰るべき原点が、実は目の前にあるのではないか。
彼らの作品は、近代以降の美術が頭で表現するもの、つまりアーティストの知性の表出であるという常識を覆し、既存の美術に回収されない、もうひとつの芸術の存在を浮かび上がらせる。200年に一度のパンデミックを経て、あらゆる価値観の再検討を迫られている今こそ、真剣にDiversity やInclusionの意味を考えるべきだろう。
「まっさらな目をもて、目的を捨てろ」。かつて岡本太郎は、何ものにも囚われない独自の感性で縄文の美を発見した。本展を、アートの新たな潮流の発見者として、自らの直感とひらめきを信じる、多くの方々にご覧いただけたなら幸甚です。
キュレーター 杉本志乃
【一般社団法人Arts and Creative Mindについて】
一般社団法人Arts and Creative Mind は、脳に重い障がいのある兄のいる2人の姉妹により設立。2014年の活動開始以来、障がいのあるアーティストのサポートを目的とし、全国各地を回り作品を発掘。表参道GYRE GALLERYでの大規模展示や作品販売、運営する恵比寿ACM Galleryでの企画展の開催、海外アートフェア出展など、様々な活動を展開してまいりました。
日本では戦前から、全国の福祉施設などで、障がいのある子供たちの教育や精神の安定のために芸術的な活動が取り入れられてきました。現在でもそうした現場で生み出されるユニークで力強い作品が数多く存在します。しかし、それらの作品が世に出るためには、常に第3者の深い関与が必要です。生きることと創ることが直結した自由な表現は、私たちに勇気を与え、自然の中で人がどうあるべきかを教えてくれます。
私たちは、こうしたアートやアーティストとのリアルな接点を創出し、多様性に満ちた誰もが輝ける未来を目指しています。2022年からは、拠点を故郷北海道十勝に移し、スタジオ運営や農福連携など、新たな事業を展開してまいります。